ブラック校則と吃音|出演した当事者・音読と号令・配慮の頼み方

目次

2019年の映画・ドラマ『ブラック校則』をきっかけに、吃音(きつおん)のことを調べてこのページにたどり着いた——という方が多いと思います。作品名に「吃音」を足して調べても、出てくるのは作品情報のページばかりで、吃音そのものを説明したページはほとんど見つかりません。

この記事では、作中の人物が誰でどう描かれていたかは扱いません(あらすじやせりふを引き写すことになりますし、作品の中の人物に診断名を当てることもできないからです)。代わりに、その作品に出演していたのが吃音のある本人だったことと、「校則」には書かれていないのに学校では声を出すことが手順に組み込まれていることを、当事者3人の記録と、国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害ナビポータル・日本耳鼻咽喉科学会会報・英国の学級調査の出典つきで並べます。

ソンタクマン(toVoice 運営)
吃音当事者。研究論文と当事者の声をもとに、吃音の情報を出典つきで発信しています。

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の判断に代わるものではありません。気になる症状があるときは、言語聴覚士やことばの教室にご相談ください。

まず結論から

  • 「吃音のある生徒に不利な校則」という条文は、まず見つかりません。壁になるのは校則の文言ではなく、日直の号令・音読・発表・かけ算の九九・学習発表会・卒業式といった、声を出すことが手順に入っている場面のほうです。
  • 吃音は発話場面でしか症状が出ないため、悩みが過小評価されやすいとされています。面談の場では出ないことが多く、そこで「気にならないですね」と言われることは養育者にプラスに働きにくい、とも書かれています。
  • 教室で何が起きているかは、症状の重さでは決まっていませんでした。英国の通常学級を調べた研究は、行動の枠や学級での立場の割り振りが吃音の程度によらなかったと述べています。
  • 国内の総説は、学齢期に約半数がいじめやからかいを経験するので対策が重要であり、診断書等で対応するとしています。
  • 頼める形はあります。高校入試や大学入試の面接試験では、事前に吃音があることを伝えておくと、寛容な聞き手の姿勢や時間的な余裕の確保といった配慮を受けられるとされています。

ただし、何が助けになるかは一人ひとり違います。免除してもらうことが本人の望みとは限りませんし、ここに並べたのはいずれも「そういう報告や制度がある」という水準の話です。学校に何を頼むかは、本人に確かめてから決めるものになります。

あの作品に出ていたのは、吃音のある本人だった

作品をきっかけに吃音を知った人が、たいてい受け取り損ねるところがあります。画面の中の話し方は作り手が選んだ演出ですが、この作品には、ふだんから吃音とともに生活している人が、俳優として出演していました。本人がウェブメディアの取材にそう答えています。

ラッパーとして活動する当事者本人の声(達磨さん/2019年公開の映画『ブラック校則』で俳優デビュー・ウェブメディアのインタビュー)

いろんな声が届くようになりましたね。

YouTubeを見た人たちから「吃音症だから注目されただけ」ってディスられることもあるし、逆に吃音症の人たちから「励まされました」って言われることもあります。

でも僕は、“吃音症だから”ラップをはじめたわけじゃないし、誰かのために歌ってるわけでもない。

この人は同じ取材で、小学生のときにはもう症状があったこと、中学から高校の間でかなり悪化して、授業中に指名されるのが本当にイヤだったことを語っています。「ただ緊張しているだけ」と思われて、学校の先生にも笑われたりしました、とも述べています。注目されたあとの変化として挙げているのは、親に「吃音症だ」って言えるようになったことでした。そして「吃音症ラッパー」と呼ばれてしまうのは「もどかしいです」と言い添えています。名前を知られた当事者がいることと、その人が一つの呼び名に回収されることは、別の話だということです。この「呼ばれ方」の問題は、研究の側からも別の角度で見えています。

出典: 「悩みだった吃音症が、ラップバトルで武器になった」ラッパー・達磨が語る“弱みは強み”(新R25)(台帳: V0417)

英国の16の学校の通常学級から403人(8歳3か月〜14歳9か月)が参加した調査があります。各クラスに吃音のある子が1人ずついる形で、クラス全員に「好きな子」「嫌いな子」と、8つの行動に当てはまる子を挙げてもらったものです。この研究が見つけたことのひとつは、社会的に受け入れられている場合でも、吃音のある子が同級生からリーダーや自己主張のできる子とは見られていなかったことでした。自己主張が強いと挙げられた子の割合自体は、吃音のある子とない子で似ていたのにです。

著者らは、その理由として考えられることを一つ挙げています。メディアやスポーツの世界に、吃音のある子が自分と重ねられるリーダー役の手本がほとんどいないからではないか、というものです。ただしこれは著者らが可能性として書いている解釈で、この調査が確かめた結果ではありません。それでも、作品や音楽の世界に吃音のある人が出てくることに、教室の側から見た意味があることは示しています。作品に描かれた吃音と実際の吃音の食い違いそのものは、作品の吃音描写と実際の記事創作の中の吃音の記事で別に扱っています。

校則に吃音のことは書いていない。それでも声を出す場面は決まっている

全国の校則を集めたデータベースを見ても、吃音の項目は出てきません。けれど、学校生活を思い返すと、声を出すことが手順として組み込まれている場面が毎日並んでいます。朝の健康観察、返事、順番に答えていく授業、日直の号令。校則に書かれていないだけで、抜けることは想定されていません。

20代男性の当事者の声(自助団体・愛媛言友会のサイトに寄せた手記。小学校時代の振り返り)

当時、毎朝の健康観察では『はい、元気です』の言葉がでない。前の人から順番に選択問題を『ア』『イ』『ウ』で答えなさいと言われても、『ア』という声さえも詰まって出ない。まわりの友達が小さい声で『正解ア やで』と教えてくれる度に『正解は知っとるや、声がでないんや』と心の中で思っていました。また、視力検査で方向が言えない、日直のスピーチや号令が話せられない、『はい』という返事でさえ声が出ませんでした。無理に出そうとすれば呼吸ができず、過呼吸に近い状態になることも頻繁にありました。

並んでいるのは、行事のような大きな場面ではありません。健康観察、選択肢を順に答えていく授業、視力検査、日直、そして返事。どれも数秒で終わるはずの手順です。友達が小声で正解を教えてくれる、という場面には、この人が置かれていた位置がそのまま出ています。答えが分からないのではなく、声が出ない。その食い違いを、教室の側は区別できていません。手記はこのあと、高校入試の面接では苦手な入室時の挨拶をやめて礼できれいに代え、答えも言いやすい言葉に変換して乗り切った、と続きます。ここで挙がっている場面は、支援する側の公的な資料が名前を挙げているものと、ほとんど重なります。

出典: 吃音当事者からのメッセージ(愛媛言友会)(台帳: V0223)

国の発達障害情報のポータルに載っている解説(執筆は九州大学病院の医師)は、困る場面をここまで具体的に挙げています。日直の号令、音読、発表、かけ算の九九、学習発表会、卒業式などの特定の場面で困ることがあるため、より具体的に質問することが困り感の早期発見につながる、というものです。同じ資料は、吃音のある子どもは発話場面でしか症状が出ないため悩みが過小評価されることが多く、他の子どもから話し方を真似されたり、笑われたり、「なんでそんな話し方なの?」と質問されることが多い、とも書いています。号令の場面そのものについては吃音と日直の号令の記事にまとめました。

制度の側でも、吃音は分かりやすい枠には入ってきませんでした。先ほどの英国の研究は考察で、吃音は行政の制度上、特別な教育的支援を要すると判断される障害ではないと整理したうえで、それでも学校ごとの特別な教育的支援の名簿には載ることがある、と書いています。これは英国の制度についての記述ですが、「決まりの文面に名前が出てこないのに、教室では確実に起きている」という形は、校則を調べても吃音が出てこないことと同じ形をしています。

教室の扱いは、先生の一言でも決まってしまう

手順が止まったとき、教室は先へ進もうとします。そのときの扱い方を決めるのは、多くの場合その場にいる大人です。順番を飛ばすのか、一緒に言うのか、待つのか——そして、まったく別のことが起きる場合もあります。

成人の当事者本人の声(筆名・カネキチキンタさん/NPO法人日本吃音協会 SCW のメディア HAPPY FOX に寄せた手記。小学校時代の振り返り)

隣の席の女の子が授業中に私の腕を鉛筆で刺してきた。私は何故か止めてと言うことができなかった。

ある日、授業中に隣の席の女の子が先生に向って「〇〇(私の名前)がカンニングしてきます!」と叫んだ。

それを聞いた先生は「この子は言葉が変で何を言っているかわからないから無視しなさい」と女の子に言った。

助けてくれると思っていた先生からそんなことを言われると思ってもいなかったし、クラスメイトの前で言われたことで、バカにされる対象になってしまった。

引っ越し先の小学校に入学した直後の場面として書かれています。腕を刺されても「止めて」と言えないでいた子が、告げ口をされ、助けを求めた先の大人から、クラス全員の前でそう言われました。手記はそのあとを続けています。その日は悲しくて泣きたかったが、親を心配させてはいけないと思い、太ももを血が滲むぐらい抓って涙を堪えて帰った、と。そして、その時から言葉が詰まってうまく喋ることができず、周りの子と何か違うと気づくようになったことを今でも鮮明に覚えている、と書いています。書き手は現在、吃音があることを隠さずオープンにして働いていると記しています。話し方を真似されたり笑われたりすることが学校で起きているのは、支援する側の資料も正面から書いていることです。

出典: 吃音のせいにしていた自分を変えてくれたお客様の一言(HAPPY FOX)(台帳: V0151)

日本耳鼻咽喉科学会の会報に載った総説は、学齢期に約半数がいじめやからかいを経験するので対策が重要であり、診断書等で対応する、と述べています。そして学齢後期以降には、吃音を隠そうとして多彩な、しばしば不適切な対処行動を発達させ、思春期以降は社交不安障害やうつなどの精神科的な問題も併発しやすい、と続けています。同じ総説は、8歳ごろ以降は自然に治ることが少なくなる一方、独り言ではほぼどもらなくなり、状況によって出方が変わる度合いが強くなるとも書いています。

ここで取り違えたくないのは、こうしたことが起きるかどうかが「話し方の重さ」で決まる、という読み方です。先ほどの英国の調査は、行動の枠や学級での立場の割り振りが、吃音の重さによらなかったとはっきり書いています。いじめられている子として挙げられた中にも、拒否に分類された中にも、症状の重い子と軽い子の両方が含まれていました。教室で起きることの中身は、吃音症といじめの記事で詳しく扱っています。

「配慮してほしい」を、頼める形にする

校則を変えてもらう話ではありません。頼めるのは、もっと手前の、場面ごとの形のほうです。公的な資料が挙げている手がかりを並べます。

まず、周りの大人がすることとして書かれているのは、聞くことです。担任の先生、養育者、支援者が本人に「真似されていない?」「笑われていない?」「話し方を質問されていない?」とオープンに聞くことが、吃音の話をオープンにするきっかけになる、とされています。学校では毎年クラス替えがあり、真似・笑い・質問を受けるリスクがそのたびに生まれるため、早期発見とその対応法をオープンに話すことが予防につながる、という説明です。困る場面の名前(日直の号令、音読、発表、かけ算の九九、学習発表会、卒業式など)を挙げて具体的に質問することが、困り感の早期発見につながるとも書かれています。学校とのやりとりの進め方そのものは、吃音と学校の配慮の記事にまとめています。

面談で症状が出なかったことを「軽い」と受け取らないことも、同じ資料が念を押しています。実際にその子と話しても思ったほど吃音の症状が出ないことが多く、その流暢に話す様子に「気にならないですね」「軽い吃音ですね」という言葉をかけることは、養育者にとってプラスに働くことは少ない、とされています。伴奏に合わせて歌ったり、2人で同じ言葉を言ったりする(外的なタイミングがある)場合には吃音は消えるため、吃音は発話のタイミング障害と言われている、というのがその理由です。

入試については、はっきり書かれています。高校入試や大学入試での面接試験で、事前に吃音があることを伝えておくと、「過重な負担」となる範囲を除き、寛容な聞き手の姿勢や時間的な余裕の確保など「合理的配慮」を受けることができるとされています。入学後の修学上の困難に対しても、双方の建設的な対話の上に「合理的配慮」が受けられるようになった、と説明されています。電話が苦手な場合は、2021年から総務省が主体となって公共インフラの一つになった「電話リレーサービス」を吃音のある人も使うことができ、困り感の軽減につながっているとされています。吃音症は精神障害者保健福祉手帳または身体障害者手帳の対象となるため、就職面接で障害者枠という選択肢も増えている、とも書かれています。

進路の節目ごとに頼める配慮を並べた流れ図。01 2024年に「改正障害者差別解消法」が施行され、国公立の学校だけではなく、私立の学校も「合理的配慮」の提供が義務化された。02 入試の面接は、事前に伝えておく。高校入試や大学入試での面接試験で、事前に吃音があることを伝えておく。03 「過重な負担」となる範囲を除いて配慮。寛容な聞き手の姿勢や時間的な余裕の確保など「合理的配慮」を受けることができる。04 入学後は、双方の建設的な対話の上に。入学後の修学上の困難に対しても「合理的配慮」が受けられるようになった。05 電話が苦手なら、電話リレーサービス。2021年から総務省が主体となり公共インフラの一つとなったサービスを使うことができる。06 就職の面接では、障害者枠という選択肢。吃音症は精神障害者保健福祉手帳または身体障害者手帳の対象となるため
図1: 進路の節目で、頼める形が変わる。公的資料が「吃音のセーフティネット体制」として一続きに並べているものです。出典: 発達障害ナビポータル「小児期発症流暢症(吃音)」

教室でからかいを受けている場合の手だても、臨床の側から提案されています。学齢期の子どもを対象にした論文は、いじめや仲間からの否定的な反応に直面している子に臨床家が使える方略として、からかいへの適切な返し方を育てる問題解決の活動と、クラスに向けて吃音を説明する時間をつくることを挙げ、1人の経過を症例報告として記しています。1人の事例報告なので、どの教室でも同じようになると読める規模のものではありません。クラスに伝えるかどうかは、本人の意向を確かめてから決めることになります。

次のようなときは、様子を見るだけにせず、相談を考えてみてください(あくまで目安で、当てはまらなくても相談して構いません)。相談先として名前が挙がるのは、ことばの教室(通級指導教室)と、小児を扱う言語聴覚士です。

  • 号令・音読・返事など、特定の場面を避け始めている
  • 話し方を真似された、笑われた、と本人が話している
  • 入試の面接や進路のことで、本人が強い不安を口にしている

この3つは相談を考えるきっかけとして挙げたもので、特定の資料が「受診の目安」として定めているものではありません。なお、周囲の大人が真似・笑い・質問の有無を本人にオープンに聞くことは、支援する側の資料が実際に提案しているものです。

「校則」から入ったときに陥りがちな3つの落とし穴

落とし穴1 − 決まりに名前が出てこないから、困りごとも無いと考える

校則の条文にも、制度の枠にも、吃音の名前はなかなか出てきません。英国の研究も、吃音は制度上、特別な教育的支援を要すると判断される障害ではないと整理しています。しかし困りごとのほうは、日直の号令・音読・発表・かけ算の九九・学習発表会・卒業式という具体的な形で挙げられています。名前が出てこないことと、起きていないことは別です。

落とし穴2 − 「軽いから大丈夫」「重いから仕方ない」と、話し方の重さで見積もる

英国の調査は、行動の枠や学級での立場の割り振りが吃音の重さによらなかったと書いています。いじめられている子に挙げられた中にも、拒否に分類された中にも、症状の重い子と軽い子の両方がいました。面談で出なかったことを「軽い」と受け取るのも同じ型で、外的なタイミングがあるときには吃音は消えるためだと説明されています。本人に話し方の矯正だけを求める筋道にはなりません。

落とし穴3 − 作品の人物と、目の前の人を重ねて判断する

画面に映るのは作り手が選んだ話し方で、そこから現実の誰かの状態は決まりません。一方で、学齢期に約半数がいじめやからかいを経験すると報告されており、話し方を真似されたり笑われたりすることが多いとも書かれています。作品で見た話し方を面白がって真似することは、その一部になります。

そのうえで、自分や子どものことが気になるなら、どの場面でどのくらい困っているかを書き留めておくと、担任との面談や相談のときにそのまま使えます。出方は日によって変わるので、その日1回の印象より記録のほうが実態に近づきます。まずは書き留めるところから始め、ことばの教室や言語聴覚士に相談できる場合はそちらが確実です。

よくある質問

映画『ブラック校則』に出ていたのは、実際に吃音のある人なのですか?

はい。ラッパーとして活動する達磨さんが、2019年公開の同作で俳優デビューしたことを、本人がウェブメディアのインタビューで語っています。同じ取材で、小学生のときにはもう症状があったこと、中学から高校の間でかなり悪化して授業中に指名されるのが本当にイヤだったこと、注目されたあとに親に吃音のことを言えるようになったことも話しています。なお、この記事は作中の人物に診断名を当てることはしません。

吃音のある生徒に不利な校則は、実際にあるのですか?

校則の条文としては、まず見つかりません。壁になるのは校則の文言ではなく、声を出すことが手順に入っている場面のほうで、公的資料は日直の号令、音読、発表、かけ算の九九、学習発表会、卒業式などを挙げています。英国の研究も、吃音は制度上、特別な教育的支援を要すると判断される障害ではないと整理したうえで、学校ごとの名簿には載ることがあるとしています。

高校の入試や自己紹介の面接が不安です。配慮は頼めますか?

高校入試や大学入試での面接試験では、事前に吃音があることを伝えておくと、「過重な負担」となる範囲を除き、寛容な聞き手の姿勢や時間的な余裕の確保といった「合理的配慮」を受けることができるとされています。入学後の修学上の困難についても、双方の建設的な対話の上に配慮が受けられるようになったと説明されています。

面談では吃音が出ませんでした。軽いということですか?

そうとは限りません。実際に話しても思ったほど症状が出ないことが多く、その様子に「気にならないですね」「軽い吃音ですね」と言うことは養育者にプラスに働くことは少ない、と指摘されています。伴奏に合わせて歌ったり、2人で同じ言葉を言ったりする場合には吃音は消えるためで、吃音は発話のタイミング障害と言われています。

クラスでからかわれているとき、学校側には何ができますか?

臨床の側からは、からかいへの適切な返し方を育てる問題解決の活動と、クラスに向けて吃音を説明する時間をつくることが方略として挙げられています。ただしこれは1人の症例報告を伴う論文で、どの教室でも同じようになると読める規模ではありません。担任・養育者・支援者が本人に「真似されていない?」「笑われていない?」とオープンに聞くことも提案されています。

まとめ

  • 2019年の映画『ブラック校則』には、吃音のある本人が俳優として出演していた。本人は「吃音症ラッパー」と呼ばれることへのもどかしさも同じ取材で語っている。
  • 「吃音のある生徒に不利な校則」という条文はまず見つからない。壁になるのは、日直の号令・音読・発表・かけ算の九九・学習発表会・卒業式など、声を出すことが手順に入っている場面のほう。
  • 吃音は発話場面でしか症状が出ないため悩みが過小評価されやすく、面談では出ないことも多い。そこで「気にならないですね」と言うことは養育者にプラスに働きにくい。
  • 教室での立場や行動の枠の割り振りは、吃音の重さによらなかったと報告されている。国内の総説は、学齢期に約半数がいじめやからかいを経験するとしている。
  • 入試の面接では事前に伝えることで配慮を受けられるとされ、電話リレーサービスや手帳という選択肢もある。からかいへの返し方の練習とクラスへの説明は、臨床の方略として挙げられている。

参考文献

  1. 発達障害ナビポータル(国立障害者リハビリテーションセンター・国立特別支援教育総合研究所)「小児期発症流暢症(吃音)」(2025年2月20日・執筆 菊池良和)
  2. 森浩一(2020)「吃音(どもり)の評価と対応」日本耳鼻咽喉科学会会報 123(9)(J-STAGE)
  3. Davis, Howell & Cooke (2002) Sociodynamic relationships between children who stutter and their non-stuttering classmates. J Child Psychol Psychiatry.
  4. Murphy, Yaruss & Quesal (2007) Enhancing treatment for school-age children who stutter II. Reducing bullying through role-playing and self-disclosure. J Fluency Disord.

当事者の声の出典: V0417(新R25・ラッパー達磨さんへのインタビュー)/ V0223(愛媛言友会「吃音当事者からのメッセージ」・3名のうち20代男性の原稿)/ V0151(NPO法人日本吃音協会 SCW のメディア HAPPY FOX・カネキチキンタさんの手記)。いずれも公開記事。引用は原文どおり。

更新履歴: 2026-09-11 公開