まず結論から
- 「吃音カフェ」に山梨の店はありません。正式な名前は「注文に時間がかかるカフェ」で、公式ページ自身が、接客をしたい若者や企業からの依頼で開催するため、決まった地域での定期開催や常設店はないと書いています。
- ただし山梨で開かれた回は記録に残っています。公式ページの開催一覧には、2025年3月16日(日)の山梨県甲府市(個人開催)が載っています(2026年8月4日に取得した時点の記載です)。
- 公式ページはこのカフェを「吃音のある人同士の交流というよりは、一般のカフェ」と位置づけています。当事者どうしで話せる場を求めているなら、行き先はここではありません。
- 山梨で続いている当事者の会は、全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧の中部ブロックに載っているやまなし言友会です。同じページが名指ししている「加盟団体のない都道府県」6県に、山梨は入っていません。
- 公的な窓口としては、発達障害者支援センターの全国一覧の山梨県の欄に山梨県立こころの発達総合支援センター(甲府市)が1か所、日本言語聴覚士協会の都道府県士会一覧に山梨県言語聴覚士会が載っています。
ただし、ここに挙げた名前・所在地・日程は、いずれも各サイトを取得した時点(2026年7月〜8月)の記載です。一覧に名前が載っていることは、いま活動しているか、いま受け付けているか、吃音を扱っているかを保証しません。行くと決めたら、必ずその団体・施設の案内を開き直して確かめてください。
山梨に店は無い。でも、甲府で開かれた日はある
多くの人は、これを「お店」だと思っています。だから県名を足す。山梨のどこにあるのか、行けば入れるのかを知りたいからです。けれども県名を足しても出てこないのは、この催しがそもそも店の形をしていないからです。
そして、この企画を知った人が最初に立つのは、店の前ではありません。行こうかどうか迷う、その場所です。
24歳の専門学生(兵庫県出身の吃音当事者。関西の若者向け当事者団体の公式noteに載った本人の紹介記事。山梨の方ではありません)
「この先どうなるんやろ…」と将来に漠然とした不安を感じていて、とにかく何か行動しなきゃと思ったことでした。右も左も分からない状態での参加です。
(とか言いながら、実際はビビってしまって、初参加するまで2,3ヶ月くらいひよってました。笑)
この文章が書かれたのは、初めて参加した日から2年近くが経ったころです。参加のきっかけは自分の吃音のことだった、と本人は書いています。行こうと思ってから実際に申し込むまでに2、3か月。その足踏みの理由は、場所が遠かったからでも、日程が合わなかったからでもなく、「ビビってしまって」でした。同じ文章には、その2年のあいだにラーメン店で接客のアルバイトを始めたこと、学校のクラスメイトの前で自分に吃音があると打ち明けて体験談を発表したことも並んでいます。一日だけのカフェを待つのとは別の時間の流れが、ここにはあります。日本の成人当事者を対象にした調査でも、自分から吃音を打ち明ける度合いの高さは、自助グループ(同じ困りごとのある当事者どうしが集まる会)に参加した経験と結びついていました。
出典: 【本音で話せる場所】メンバー紹介投稿(note・うぃーすた関西)(台帳: V0248)
カフェの公式ページの「スケジュール」の欄には、こう書かれています——接客をしたい若者や企業からの依頼で開催するので、決まった地域での定期開催や常設店はない。つまり、県名を足して店を見つけるというやり方そのものが、この催しには合っていません。山梨だけ開かれていない、という話ではないのです。
実際、同じページの開催一覧には山梨の行があります。2025年3月16日(日)、山梨県甲府市、個人開催。前日にあたる3月16日にテレビ山梨、翌3月17日に山梨日日新聞、少し空いて4月22日に山梨放送が、このカフェを取り上げたことも、同じページの掲載歴に記されています(いずれも2026年8月4日に取得した時点の記載)。山梨で開かれた日は、たしかにありました。ただしそれは一日で、次がいつどこになるかは公式ページにも書かれていません。予約制の回は開催の約2週間前あたりに公式サイトとXで案内され、主催者の希望でお客さんを一般募集しない回もある、とも明記されています。日程が出ていても入れない回があるということです。
客として入れた回で何をすればいいのかは、公式ページに書かれています。吃音のある人への対応は人それぞれ違うと前置きしたうえで、一般的な対応方法として4つ——言い終わるまで待つ(遮ったり、憶測して代わりに言ったりしない)、アドバイスしない、真似しない、他の人と同じように接する——が挙げられています。2つめには理由も添えられていて、緊張して言葉が詰まっているわけではないので「リラックスして」「ゆっくり話せばいいよ」と言わないでほしい、と書かれています。同じページは、症状も対処のしかたも人によって大きく異なるので「吃音の人はこうすれば良い」という決まった方法はない、とも述べ、その人が何を望んでいるかが一目で分かるようにマスクや名札にメッセージを書いている、と説明しています。催しの仕組みそのものは、東京の回を例に吃音カフェ東京の記事に詳しく書きました。
山梨で、来月も再来月も続いている場——やまなし言友会
一日で終わる催しを待つのではなく、同じ場所に何度も行けるほうがいい。そう思ったとき、山梨には行き先があります。ただ、その入口の前でいちばん多くの人を止めているのは、距離でも費用でもないようです。
社会人8年目の吃音当事者(関西の若者向け当事者団体の公式noteに載った本人の紹介記事。団体の魅力を紹介する企画の中で書かれたものです。山梨の方ではありません)
魅力①初参加で知り合いがいなくても問題ない!
いやー、これは過去の私に声を大にして言いたい。笑
知り合いがいない。これが参加申込まで踏み切れなかった理由だったのですが、いざ参加してみたら、周りのみんなが積極的に話しかけてくれます
初めて例会に出たのは前の年の8月で、この文章を書いた時点でまだ1年ほど。「もっと前から参加してたらよかった」と本人は書いています。申し込みのボタンを押せなかった理由として挙がっているのは、会の内容でも、話せるかどうかでもなく、知っている人が一人もいないことでした。当事者どうしなので吃音が出るのを気にせず話せる場所だったことも、同じ文章に書かれています。この人はその後、3回目に出たクリスマスの回のあとで運営の側に加わりたいと申し出て、受験や就職の回で自分の面接の経験を話す側に回っています。もっとも、これは団体の紹介企画に寄せられた文章なので、良かったと感じた人の言葉が集まる場所だという点は差し引いて読む必要があります。会に出ると何が起きるのかを、通っている人に外から聞き取った調査もあります。
出典: 【自信を少しずつ取り戻せる気がする、大切な居場所。】メンバー紹介投稿(note・うぃーすた関西)(台帳: V0247)
山梨にも、こうした会があります。全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧では、中部ブロックに、にいがた言友会、富山言友会、石川言友会、福井言友会、やまなし言友会、信州言友会などが並んでいます(2026年8月30日に取得した時点)。同じページの下部には、全ての都道府県に少なくとも1か所の活動拠点を築きたいがゴールは見えていないとしたうえで、加盟団体のない都道府県として「青森県」「秋田県」「福島県」「鳥取県」「長崎県」「沖縄県」の6県が名指しされています。山梨は、この空白の側には入っていません。
連絡する先は、全国の窓口ではなく山梨の団体のほうです。全国言友会連絡協議会は、子どもの吃音への対応方法の確認や医療機関の紹介といった個別の相談には原則として応じることができないと明記しています。例会の日時や会場、費用は、この記事の資料には書かれていないので、団体の案内で確かめてください。一般には、多くのセルフヘルプグループ(自助グループの別の呼び方で、当事者が自分たちで運営する会のことです)が月1回程度の例会を開いていると案内されています。
会は、何をしてくれて、何をしてくれない場所なのか。吃音ポータルサイトは、セルフヘルプグループは当事者の集まりなので、言語聴覚士のように吃音についての学術的な知識や、改善のための専門的な指導や支援が受けられるわけではない、とはっきり書いています。そのうえで、自分と同じ問題を持つ仲間と出会い、当事者同士でないと感じることのできない連帯感の中で悩みを聞いてもらったり、同じ悩みを持つ者同士という立場で具体的な助言をもらったりできるという、そこでしか得られないものがあることも事実だ、と続けています。日本吃音・流暢性障害学会の解説も、団体によって目的も規模も違うとしたうえで、吃音のある当事者が「吃音があるのは自分だけではない」ということを認識し、共通の体験を語り合い、苦悩を分かち合い、互いに援助し合うことが概ね活動の中心だ、とまとめています。1965年に発足した言友会が日本で最も歴史が古いこと、近年は若者を対象とした団体や女性の集いを開く団体もあることも、同じ解説に書かれています。
行った日に、何が起きるのか——自己紹介で言葉が出なかった人の記録
「行ってみればいい」と言われても、当日の絵が浮かばないうちは足が向きません。とくに不安なのは最初の数十分、順番に自己紹介が回ってくる場面でしょう。同じ不安を抱えて県の言友会の交流会に初めて行った人が、その日のうちに書いた記録があります。
宮城県の言友会の交流会に初めて参加した吃音当事者(2013年5月の個人ブログ。山梨の方ではありません)
イメトレを繰り返しつつ、(むしろそれが悪かったのか、)いざ自己紹介フェイズに入ると緊張して何も喋れなかった!
「すすんません言葉が出てこないんで・・・」
恐らく一般ピープルが見たら異様な光景だと思うけれど、本当になんというか、
"理解のある方々の前だから言える妥協方法"なのでした。
ただその後は多くの対話シーンを設けてもらい、割とよく話せたと思う。
会の名前は数年前から知っていた、とこの人は書き出しています。関わり始めたところで意味があるのか、そもそも話が合わないのではないか——そう言って先延ばしにしていたことを、あとから「単なる行動力の無さ」を覆っていたのだと振り返っています。ある日もう一度その名前を見かけ、県名と会の名前を並べて調べ、出かけた。当日いちばん苦手だったのは、数人が向かい合う場面でした。言葉が出ないまま「すすんません言葉が出てこないんで」と断り、それは理解のある人の前だから言えることだった、と書いています。文章の終わりには、出かけて活動することには精神的な負担があって怖いけれど必要な挑戦だとも思う、できるだけ継続して顔を出したい、と続きます。同じような場に通っている人たちに、会をどう感じているかを聞き取った調査があります。
出典: 宮城言友会の交流会に行ってきたのだ(白根の相棒、めもりん。)(台帳: V0259)
南アフリカで、月1回の自助グループに通っている吃音のある成人13人(20歳から58歳・平均35歳、女性3人と男性10人)に電話で聞き取った質的な研究があります。対象になったのは、会に少なくとも3回は参加したことのある人たちです。その13人のうち9人(69.2%)が、会は自分の話が聞かれ、安全で、くつろげて、居場所があると感じられる場だったと述べています。7人(53.9%)は、会に出て、吃音とともに生きているのは自分だけではないと気づいたと語りました。8人(61.5%)が自分の吃音を受け入れられるようになったと述べ、5人(38.5%)が自信がついたと答えています。これは13人の語りをまとめたもので、効果を測った試験ではありません。
上の記録と同じ心配に、この研究も触れています。原典は会を運営する側への提案として、話したくない人は発言しなくてよいと参加者に伝えるべきだと書いています——参加するために口を開く義務はない、と分かっていることを当事者が大切にしていたからです。もう一つの提案は、対面とオンラインを組み合わせる形です。場所の壁が減って参加しやすくなる一方、通信の手段を持たない人がいることも考える必要がある、と断っています。3人(23.1%)は、月1回の開催をもっと頻繁に、日時の幅を広げてほしいとも述べていました。会に通える距離に住んでいても、日程が合わないことはあるということです。オンラインでどこまで受けられるかは、オンライン吃音相談の記事にまとめています。
山梨で、最初の一本の電話をどこにかけるか
ここまでに出てきた入口を、「最初にかける先」の形に並べ直します。施設の名前を先に探すのではなく、種類から辿る順番です。窓口の名前や担当は変わりやすいので、名前を覚えるより辿り方を持っておくほうが長持ちします。
- 大人が当事者の会を探すとき— 全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧から、住んでいる地域の団体を探します。中部ブロックにやまなし言友会が載っています。全国組織は個別の相談には原則として応じられないと明記しているので、連絡先は地域の団体のほうです。近くの自助グループの情報は、ホームページで調べるか言語聴覚士会に問い合わせると分かる、とも案内されています。
- 話しにくさそのものを専門家に相談したいとき— 吃音は、聞こえやことば、飲み込みの障害を扱う国家資格の専門職である言語聴覚士が扱う領域で、言語聴覚士は主に病院のリハビリテーション科や耳鼻咽喉科などに勤務している場合が多いとされています。つまり「吃音外来」の看板が無くても、吃音を診る言語聴覚士のいる病院はありえます。ただし全ての言語聴覚士が吃音の指導や支援を行えるわけではないので、あらかじめ病院等に直接問い合わせるか、日本言語聴覚士協会・各都道府県の言語聴覚士会に尋ねるよう案内されています。山梨でその「都道府県の言語聴覚士会」にあたるのは、協会の一覧に載っている山梨県言語聴覚士会です。この記事の資料に、山梨県内の医療機関の名前は書かれていません。
- 公的な相談窓口— 国立障害者リハビリテーションセンターが公開している発達障害者支援センターの全国一覧では、山梨県の欄に山梨県立こころの発達総合支援センター(甲府市住吉2-1-17・子どものこころサポートプラザ内)が1か所載っています(2026年8月30日に取得した時点)。熊本のように県と市で欄が分かれている県もありますが、山梨の欄はこの1件だけです。
- 小学生・中学生・高校生のこと— 通っている学校か、地域の教育委員会が入口です。相談すれば、その地域の学校に設置されている「ことばの教室」——在籍する学級とは別に、ことばの指導を受けに通う教室のことです——などを紹介してくれるでしょう、と国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターが答えています。中学校にも少しずつ設置されてきている、とも書かれています。学校以外で吃音の相談を受け入れている専門機関については、各都道府県にある言語聴覚士会や発達障害者支援センターなどに問い合わせてみるとよいでしょう、と同じQ&Aが案内しています。山梨でそれにあたるのが、上の2つと3つめです。
一覧に名前が載っていても、そこが吃音を扱っているとは限りません。発達障害者支援センターの一覧の冒頭には、人口規模・面積・交通アクセス・既存の地域資源の有無や自治体内の支援体制の整備状況などによってセンターの事業内容は異なるので、初めて利用する人や支援内容を詳しく知りたい人は、まず住んでいる地域を担当しているセンターに問い合わせるように、と書かれています。どの窓口でも「吃音を診ていますか」「吃音のある方をよく担当されていますか」を先に聞くのが確実です。何科に行くのか、初回に何を持っていくか、予約待ちはどのくらいかといった総論は吃音の相談先の記事に、言語聴覚士の見分け方は吃音と言語聴覚士の記事にまとめています。通える範囲に見つからないときの考え方は相談先が近くにないときの記事にあります。
「行けば変わる」とは書けない——行っていない人のほうが、ずっと多い
ここまで入口を並べてきましたが、どこにも行かないという選択についても書いておきます。足が向かないのは、珍しいことではありません。むしろ、そちらが多数派です。
英語圏のオンラインの支援グループ、英国の全国団体、英国マンチェスターの地域グループの原データから推定した研究では、吃音のある成人のうち当事者のコミュニティに関わっている割合は、国際的な集まりで0.99%、全国団体で0.63%、地域のグループで1.01%でした。同じ論文は、離脱や重複の数え上げがあるため実際の関与はこれより低かったはずだとしたうえで、吃音のある成人のうち当事者コミュニティに関わっているのは1%未満だと結論づけています。日本の数字ではありませんが、桁の感覚はつかめます。会に行っていないことは、その人の努力が足りないという意味ではありません。
行った経験と結びついている数字もあります。日本の成人当事者180人へのオンライン調査では、男性であること、自助グループの経験があること、自己受容(ありのままの自分を受け入れられている度合い)が高いこと、自己スティグマ(自分で自分を否定的に見てしまう気持ち)が低いことが、吃音を自分から打ち明ける度合いの高さと結びついていました。この研究は、日本の当事者が打ち明ける度合いは過去の米国の調査より低い傾向があり、社会文化的な違いを反映しているのかもしれない、とも述べています。ただしこれは一時点で測った調査で、どちらが原因でどちらが結果かを示すものではありません。会に行ったから打ち明けられるようになった、とは読めない、ということです。この調査の参加者自体が日本の自助グループを通じて集められているので、日本の当事者全体を代表しているわけでもありません。
学会の解説も、吃音の自助団体に参加してほかの吃音のある人と出会うことが、吃音を否定的に捉えることが減るといった心理的な変化のきっかけになることもある、という書き方をしています。「なる」ではありません。行けば必ず何かが変わる場所として案内するのは、資料の書き方を超えています。
山梨で吃音の場を探すときに陥りがちな3つの落とし穴
落とし穴1 − 山梨での次の開催を待ち続けて、時間だけが過ぎる
公式ページが自ら、決まった地域での定期開催や常設店はないと書いています。甲府の回は2025年3月の一日で、次がいつどこになるかは書かれていません。予約制の回の案内は開催の約2週間前あたりで、一般募集をしない回もあります。待つものを「山梨の店」から「日付」に切り替えても、それが山梨で出る保証はありません。続けて行ける場を先に確保しておくほうが、確実です——県内ならやまなし言友会が、全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧に載っています。
落とし穴2 − 一つの窓口で「うちではない」と言われて、そこで止まる
山梨の公的な窓口は、発達障害者支援センターの一覧では1か所です。1か所しかないと、そこで断られたときに行き止まりに見えます。けれども一覧の冒頭には、地域の事情によってセンターの事業内容は異なると書かれていて、扱う範囲が違うこと自体が前提になっています。断られたら「どこなら受けてもらえますか」と聞いて、次の一本へ進んでください。学校以外の専門機関については言語聴覚士会や発達障害者支援センターに問い合わせるとよい、というのが公的な案内で、近くの自助グループの情報も言語聴覚士会で分かるとされています。全ての言語聴覚士が吃音を扱えるわけではないので、どの窓口でも「吃音を診ていますか」を先に聞くのが早道です。
落とし穴3 − 「行けば変わる」と思って行く/行けない自分を責める
当事者の会について資料が書いているのは、参加が心理的な変化のきっかけに「なることもある」という言い方までです。実際に通っている13人への聞き取りでも、自分だけではないと気づいたと語ったのは7人でした。そして、吃音のある成人のうち当事者コミュニティに関わっているのは1%未満と推定されています。行っていない人のほうが圧倒的に多く、それは怠慢ではありません。会に出るとき、口を開かなければならない義務も無く、話したくない人は発言しなくてよいと伝えるべきだ、と研究の側も書いています。
行ける場所が決まるまでのあいだ、どんな場面で話しにくいのか、どのくらいの頻度なのかを書き留めておくと、相談のときに役に立ちます。まずは気づいたことを記録するところから小さく始め、相談できる状況になったら、言語聴覚士やことばの教室に持っていくのが確実です。
よくある質問
山梨県内に「吃音カフェ」のお店はありますか?
ありません。公式ページは、接客をしたい若者や企業からの依頼を受けて開催するため、決まった地域での定期開催や常設店はないと書いています。ただし開催一覧には2025年3月16日(日)の山梨県甲府市(個人開催)が載っており、同じ時期にテレビ山梨・山梨日日新聞・山梨放送が取り上げた記録も掲載歴にあります(2026年8月4日に取得した時点の記載)。予約制の回の案内は開催の約2週間前あたりで、一般募集をしない回もあります。
山梨に吃音の当事者の会はありますか?
全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧の中部ブロックに、やまなし言友会が載っています(2026年8月30日に取得した時点)。同じページが名指ししている加盟団体のない6県に、山梨は入っていません。全国組織は個別の相談には原則として応じられないと明記しているため、連絡先は地域の団体になります。例会の日時や会場はこの記事の資料に無いので、団体の案内で確かめてください。当事者の会は専門的な指導の場ではありませんが、当事者同士でしか得られないものがあるとされています。
山梨で吃音を相談できる公的な窓口はどこですか?
国立障害者リハビリテーションセンターが公開している発達障害者支援センターの全国一覧では、山梨県の欄に山梨県立こころの発達総合支援センター(甲府市住吉2-1-17・子どものこころサポートプラザ内)が載っています(2026年8月30日に取得した時点)。センターごとに事業内容が異なるので、まず住んでいる地域を担当しているセンターに問い合わせるよう一覧の冒頭に書かれています。学校以外で吃音の相談を受け入れている専門機関については、言語聴覚士会や発達障害者支援センターに問い合わせるとよい、と同センターのQ&Aが案内しています。
山梨県内で吃音を診てもらえる病院はどこですか?
この記事の資料に、山梨県内の医療機関の名前は書かれていません。案内されている探し方は、病院等に直接問い合わせるか、日本言語聴覚士協会・各都道府県の言語聴覚士会に尋ねることで、山梨では協会の都道府県士会一覧にある山梨県言語聴覚士会がそれにあたります。全ての言語聴覚士が吃音の指導や支援を行えるわけではないので、「吃音を診ていますか」を先に聞くことが勧められています。
当事者の会に行かないといけませんか?
いいえ。吃音のある成人のうち当事者コミュニティに関わっているのは1%未満と推定されており、行っていない人のほうがはるかに多数です。会に出ている人への聞き取りでも、13人中9人が安心して話せる場だったと述べた一方で、もっと開催を増やしてほしいという要望も出ています。参加するために発言する義務は無いと参加者に伝えるべきだ、と原典は運営側への提案として書いています。自助団体への参加が心理的な変化のきっかけに「なることもある」というのが、学会の解説の言い方です。
まとめ
- 「吃音カフェ」=「注文に時間がかかるカフェ」は依頼を受けて開く催しで、公式ページ自身が、決まった地域での定期開催や常設店はないと書いている。山梨の店が見つからないのは、そのためである。
- 山梨で開かれた回は記録に残っている——開催一覧の2025年3月16日(日)、山梨県甲府市、個人開催。同じ時期にテレビ山梨・山梨日日新聞・山梨放送が取り上げている(2026年8月4日取得時点)。ただし一日限りで、次の予定は書かれていない。
- 公式ページはこのカフェを「吃音のある人同士の交流というよりは、一般のカフェ」と位置づけている。当事者どうしで話す場を探しているなら、行き先は別にある。
- 山梨で続いている当事者の会は、全国言友会連絡協議会の加盟団体一覧の中部ブロックに載るやまなし言友会。加盟団体のない6県に山梨は入っていない。個別の相談は全国組織ではなく地域の団体が窓口になる。
- 公的な窓口は山梨県立こころの発達総合支援センター(甲府市)が1か所、専門職の入口は山梨県言語聴覚士会。全ての言語聴覚士が吃音を扱えるわけではないので「吃音を診ていますか」を先に聞く。子どものことは学校か地域の教育委員会が入口で、「ことばの教室」を紹介してもらえる。
- ただし、当事者コミュニティに関わっている成人は1%未満と推定されており、行っていないことは責める材料にならない。自助グループの経験と打ち明けやすさの関連を示した日本の調査もあるが、因果を示すものではない。参加は心理的な変化のきっかけに「なることもある」まで。一覧に載っていることと、いま活動していることは別なので、行く前に必ず案内を開き直す。