まず結論から
- 「小児吃音外来」という名前の専門外来は、東京都内ではなく隣県にあります。国立障害者リハビリテーションセンター病院(埼玉県所沢市)の小児吃音外来は、18歳以下(年度内に18歳の誕生日を迎える方まで)の初診の方を対象としています。
- 都内では、東京都文京区本郷の耳鼻咽喉科クリニックが、複数の言語聴覚士(ことばや聞こえの専門職)が勤務する音声言語外来を設けており、受診者の8割以上を子どもが占めると案内しています。
- ただし、その同じクリニックの吃音の専門外来は中学生以上が対象です。北里大学病院の吃音外来も中学生以上で、小学生以下のお子さんは耳鼻咽喉科・頭頸部外科の外来が受け持つと案内されています。年齢の区切りは施設ごとに違います。
- 名前を見つけても、すぐ受診できるとは限りません。所沢の外来は「受診希望の方が多く予約が取りにくくなっております」と自ら断り、北里大学病院は問い合わせが集中したため新規の予約受付を停止し、再開予定を2027年2月上旬頃としています。
- 言語聴覚士は国家資格で、養成課程に吃音が含まれます。それでも業務は多岐にわたるため、全員が吃音の指導や支援を行えるわけではありません。施設名を見つけたあとに、もう一段の確認が要ります。
ただし、ここに並べたのは一次情報(その施設自身が公開している案内)を確認できたところだけで、東京都内の医療機関を網羅した一覧ではありません。案内の内容は取得した2026年9月11日時点のもので、対象年齢も予約の受付状況も変わります。行き先を決める前に、必ずその施設のページを開き直してください。
最初にかけた電話は、病院ではなかった
子どもの話し方が気になったとき、多くの人はまず「◯◯外来」という名前を探します。けれど実際に動いた保護者の記録を読むと、最初につながる先は病院ではないことがよくあります。
2歳半の息子の話し方に気づいた母の記録(個人ブログ)
「まま、あ・あ・あ・あのね!」という感じで話すことが増えてきました。元々吃音というのを知っていたのもあり、早めに何かできることがあればと思い、すぐに市の子育て相談へ電話をしてみました。
保健師と話すことができ、住んでるところから一番近い子どもの言語訓練をしてくれる病院を紹介してくれました。
病院へ連絡し吃音のための言語訓練について相談したいことを伝えると、まずは耳鼻咽喉科へ受診というかたちで予約となりました。
吃音という言葉をすでに知っていた母親が、気づいてすぐに動いています。ただし、その最初の一手は専門外来の予約ではなく、市の子育て相談への電話でした。そこで保健師から近くの病院を教わり、病院に連絡したところ、窓口は耳鼻咽喉科になった——という順番です。この記録では、受診してもすぐ訓練が始まったわけではなく、年齢を理由に「まだ早い」という説明を受け、一年後に通い始めています。公的機関の資料も、実はこの順番を前提にした体制を勧めています。
出典: 吃音症の息子との関わりの記録(個人ブログ「うさ子の記録」)(台帳: V0284)
幼児吃音臨床ガイドラインの作成に関わった専門機関の解説は、国内の状況をかなり率直に書いています。仮に吃音になる幼児の10分の1だけが医療機関を受診するとしても、全員を診られるだけの人数の専門家はいない、というのです。そのうえで、一般の相談・診療機関が吃音の詳しい説明や、できれば経過観察(すぐに訓練を始めず、様子を記録しながら追っていくこと)も担当し、必要を見極めて治療施設に紹介する、という役割分担を勧めています。市区町村の子育て相談や保健センターから始まる道筋は、遠回りではなく、想定された入口です。
「いつ動くか」の目安も公開されています。幼児吃音臨床ガイドライン第1版(2021)は、積極的な介入(月2回以上の指導)を始めるタイミングについて、年少組までは経過観察的な支援を基本とし、年中組で開始を検討し、年長組では開始を推奨する、としています。別の公的資料は、周りの人がゆったりと楽に話し、どもるかどうかではなく内容を聞くようにする、といった家庭での工夫をまず行ったうえで、悪化が見られるとき、吃音が出てから1年半から2年以上たったとき、あるいは就学の1年前までに治らないときに訓練へ切り替える、という判断材料を挙げています。
名前を見つけてから、初診の日までが遠い
行き先が決まっても、そこからもう一段あります。予約の電話です。しかも、この段でどれだけ待つかは、住んでいる場所によってかなり違います。
高校生の長女の受診に付き添った父の記録(父自身も吃音当事者・個人ブログ)
今回病院予約する際に北海道言友会の皆さんにオススメ聞いて電話しました。
コロナ渦で新規受付ない病院もあり、今回初診が半年後になりましたが元々すぐには受診できないらしい。これも地域差なのかなぁ。
父親が頼ったのは、病院の一覧ではなく、当事者団体の人たちでした。そのうえで電話をかけ、新規の受付をしていない病院があること、初診が半年後になることを知ります。最後の一行——「これも地域差なのかなぁ」——は、遠くの土地の話ではありません。同じ言葉を、東京の近くで外来を探した人も口にすることになります。公開されている案内を読むと、混み具合を施設の側から先に告げているところがあるからです。
出典: 吃音(どもり)ネタを貼ってくブログ(はてなブログ)(台帳: V0101)
所沢の小児吃音外来のページには、初診専用の外来であること、予約センターで専門外来の予約を取ったうえで受診することが書かれ、そのすぐあとに「現在、受診希望の方が多く予約が取りにくくなっております」と続きます。外来担当表は完全予約制で、週のうち枠が置かれているのは限られた曜日だけです。北里大学病院の吃音外来はさらに手前で止まっていて、問い合わせが集中したため新規の予約受付を停止していること、再開の予定を2027年2月上旬頃としていること、個別の電話やメールでの問い合わせには答えられないことが明記されています。
この「待ち」は日本に限った話ではありません。就学前の子どもの吃音をめぐる連携をノルウェーで調べた研究では、参加者全員が、住んでいる自治体に言語聴覚士がいないこと、いても順番待ちが長く提供できる時間に上限があること、吃音の治療に通じた言語聴覚士に当たるとは限らないこと、という3つの壁を挙げました。研究チームは考察で、早く紹介されたからといって早く治療が始まるわけではないと指摘しています。自治体が早く評価を済ませても、治療の開始はずっと後になったり、回数が少なかったり、吃音に通じていない担当者になったりすることがある、というのです。
大人が探すと、道はさらに細くなる
ここまでは子どもの話でしたが、同じ「吃音 病院 東京」という言葉にたどり着く人の中には、自分自身のために探している大人もいます。そして大人の場合、選択肢はさらに少なくなります。
40代半ばの当事者・社会福祉士の記録(個人ブログ。病院名は原文で伏せられている)
結果は、ほとんどが子ども向けの吃音外来だった。
「そりゃそうかぁ」と思いつつ、負けじと検索ワードに「成人」を追加。
その結果、近隣の都道府県で二か所、吃音外来を見つけた。
想像はしていたけど、成人の吃音を診てもらえる病院って本当に少ない。
相談できる場が限られていることも、成人吃音者が苦しむ要因のひとつだと感じた。
吃音歴30年近い当事者が、都道府県名を添えて調べ、出てきたのが子ども向けばかりだったところから書き起こしています。言葉を足してようやく見つけたのが、隣の県も含めて二か所。そのあと候補の一つに電話をかけると、予約窓口から「紹介状がない初診は自己負担額が高額となります」「先に近隣のクリニックで、紹介状を書いてもらえるか聞いてみてくださいね」と案内され、近所のクリニックを先に受診することになります。大人の窓口は、年齢の区切りと紹介状という二段の関門を持っている——公開されている案内も、そのとおりの形をしています。
出典: はじめての吃音外来(note)(台帳: V0252)
所沢の成人吃音相談外来は、18歳以上の方の相談を受けていますが、高校生は「小児吃音外来」で対応すると明記されています。つまり同じ建物の中でも、18歳という数字ではなく在学の身分で行き先が変わることがあります。初診日には問診票の記入と診察、吃音の検査を行い、後日それらの結果を見ながら言語訓練の方針を立てる流れで、紹介状を持っている場合は当日それも持参するよう案内されています。
東京都文京区本郷の耳鼻咽喉科クリニックは、吃音の症状で悩む中学生以上を対象に成人吃音専門外来を開設しています。担当する医師は30年近く吃音の研究と臨床を行ってきたと紹介され、国立障害者リハビリテーションセンターで成人吃音相談外来を担当してきた経歴も公開されています。こちらは完全予約制で、保険診療の自己負担とは別に予約料がかかると案内されています。中学生以上という区切りは、北里大学病院の吃音外来と同じです。
「うちでは専門外です」と言われることがある
行き先を決め、予約を取り、たどり着いた——それでも終わりではありません。医療機関にかかれば吃音に詳しい人に会える、という前提が外れることがあります。
大人になってから症状が強まった当事者(自助団体のメディアへの寄稿)
私はその足で以前鼻炎でかかっていた耳鼻咽喉科に向かいました。
久々に相対したその先生も、私の様子をみて一言「悪いけれど、私も吃音は専門外なんだ。だから申し訳ないけど何もできないんだよ」
何もできなかった証明のように、わずかな会計をして医院を出ようとしました。
そのとき、受付の人が急に私を呼び止めました。
「先生から連絡先を聞いておいてくれ、後で連絡するとの伝言です」
会議で語頭の繰り返しが止まらなくなった日から動き出した当事者が、通院していた心療内科に続いて、かつて鼻炎でかかった耳鼻咽喉科を訪ねた場面です。そこで返ってきたのは「専門外」という言葉でした。ただし話はそこで切れません。数日後にその医師から直接電話があり、後輩に吃音外来をやっている医師がいると伝えられ、3か月の予約待ちのあと、自宅からやや離れた都市の病院へ出かけることになります。「専門外」は行き止まりの合図とは限らず、次の行き先の入口になることがあります。ただ、その橋渡しが常に起きるとは限らないことも、資料の側が認めています。
出典: 大人になり悪化した吃音「先生、私はこのままなんですか?」(NPO法人日本吃音協会 HAPPY FOX)(台帳: V0093)
吃音の公的なポータルサイトは、言語聴覚士を「言語障害や聴覚障害がある方に対する指導や支援を行う専門職」と説明し、養成課程に吃音が含まれていて、吃音のある方の指導・支援の中核を担う存在として役割が期待されている、と書いています。そのうえで、業務が多岐にわたるため、必ずしも全ての言語聴覚士が吃音の指導や支援を行えるわけではないと続けます。同じページは、言語聴覚士が主に病院のリハビリテーション科や耳鼻咽喉科などに勤務していることも示しています。だから「言語聴覚士がいる病院」を見つけただけでは足りず、その施設・その担当者が吃音を扱っているかを、行く前に確かめる必要があります。
これも日本だけの事情ではありません。先のノルウェーの研究でも、保護者が受け取る情報や助言は「どの職種の誰に会ったか」で大きく変わり、言語聴覚士が割り当てられても、その人が吃音の対応に通じているとは限らなかったと報告されています。
年齢で行き先が変わる — 公開案内を並べてみる
ここまでに出てきた4つの案内を、対象年齢という一本の軸で並べ直します。同じ「吃音外来」という名前でも、受ける年齢がまったく違います。いずれも2026年9月11日に取得した案内で、変更されることがあります。
- 国立障害者リハビリテーションセンター病院 小児吃音外来(埼玉県所沢市):18歳以下(年度内に18歳の誕生日を迎える方まで)の初診の方が対象。初診専用で、予約センターを通して予約する。
- 同 成人吃音相談外来:18歳以上が対象。ただし高校生は小児吃音外来で対応すると明記されている。
- 本郷耳鼻咽喉科クリニック 音声言語外来(東京都文京区本郷):滑舌・発音・声のかすれなど「声やことばのトラブル」を扱い、複数の言語聴覚士が一人ずつ約1時間かけてリハビリを行う。受診者の8割以上を子どもが占めると案内している。ただし吃音の専門外来のほうは中学生以上が対象。
- 北里大学病院 吃音外来:中学生以上が対象。幼児や小学生以下のお子さんへの評価や指導は、同院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科外来が対応すると案内されている。ただし現在は新規の予約受付を停止しており、再開予定は2027年2月上旬頃。
この4つを見ると、「小児」と名の付く専門外来は所沢の1つで、都内で子どもの相談を受けている外来は、吃音の専門外来ではなく声とことば全般を扱う外来という形をしています。逆に中学生以上には、都内のクリニックと北里大学病院という選択肢が並びます。「東京だから子どもの専門外来が多いはず」という見込みは、公開されている案内の側からは支えられません。
もう一つ、年齢と並んで施設ごとに分かれるのが紹介状と予約の入口です。所沢の外来は小児・成人とも初診専用で、予約センターを通します。成人の相談外来は、紹介状がある場合は当日それも持参するよう案内しています。北里大学病院は初診予約をメールのみで受け付け、返信に10日間程度かかる場合があるとしたうえで、内科や耳鼻咽喉科などからの紹介状(診療情報提供書)を当日提出するよう求め、紹介状が無い場合は医療費とは別の負担が生じると案内しています。都内のクリニックの吃音相談外来は完全予約制です。年齢・紹介状・予約の入口の3つは、施設のページの別々の場所に書かれていることが多いので、電話やメールの前に3点とも拾っておくと二度手間になりません。
ここに挙げたのは、その施設自身が公開している案内を確認できたところだけです。都内にはほかにも言語聴覚士が在籍する耳鼻咽喉科やリハビリテーション科があります。ここに名前が無いことは「扱っていない」という意味ではありません。
外来では、何が行われるのか
施設が違っても、初診でやることの順番はよく似ています。「診察してその場で訓練」ではなく、まず調べる日が置かれます。
所沢の小児吃音外来では、まず初回の受診で聴力検査と診察を行い、後日に言語聴覚士が言葉の評価を行います。それらの結果を見ながら言語訓練の方針を立てていく、と案内されています。成人の相談外来も同じ形で、初診日に問診票の記入・診察・吃音の検査を行い、後日、結果を見ながら方針を立てます。問診票は事前に印刷して記入しておくことが勧められており、当日その場で書くと記入だけで30分程度かかるとも書かれています。
都内のクリニックでは、まず問診表に記入し、通常の音声言語外来で声帯や発話器官を診察して吃音検査を受け、そのあとで吃音相談外来を予約する、という順序が示されています。相談外来では毎日実施する宿題が出され、困りごとの相談や考えの切り替え方の説明が行われるとされています。オンラインでの診療にも対応していますが、その場合は可否を確かめるための書類審査と事前の相談が要ります。北里大学病院では、医師による吃音症の診断と、言語聴覚士による発声・発音練習を中心とした言語訓練を行い、本人が家庭で自主練習を行う必要があると案内されています。
では、その訓練にはどのくらいの裏づけがあるのでしょうか。就学前の子どもについては、保護者が家庭で行う方法を、順番待ちのまま過ごしたグループと比べた試験が4件あり、2歳から6歳までの151人が参加しています。まとめた側は、この結果の確かさを「低いものから中程度」と注記しています。別の系統的なまとめでも、就学前の子どもに対しては効果が確かめられている一方で、学齢期の子どもや思春期の若者を対象にした、確かさの高い研究は見つかっていません。同じまとめは、遠隔で行う形やグループで行う形も、個別の対面と同じくらいの効果だったと報告しています。
東京で辿る入口を、順番に並べる
専門外来がすぐに取れないとき、何もせずに待つ以外の手はあります。公開されている資料が勧めている順番は、おおよそ次のようになります。
- 1. 住んでいる区市町村の子育て相談・保健センター。一般の相談・診療機関が詳しい説明と経過観察を担い、必要を見極めて治療施設に紹介する、という役割分担が勧められています。軽い状態のうちは、吃音の専門家でない担当者が受け持つことも想定されています。
- 2. 言語聴覚士のいる耳鼻咽喉科・リハビリテーション科。言語聴覚士は主にこうした科に勤務していると案内されています。
- 3. 予約の前に、吃音を扱っているかを確かめる。全ての言語聴覚士が吃音の指導や支援を行えるわけではないため、公的なポータルサイトは、病院や職能団体・都道府県の士会に事前に問い合わせる手順を示しています。
- 4. 専門外来。年齢の区切りと予約の状況を、その施設のページで確かめてから電話やメールをします。
待つ間の過ごし方にも、根拠のある考え方があります。吃音を発症したあと、男の子では3年で6割、女の子では3年で8割が自然に回復するとされています。だからこそガイドラインは、自然に治る力をできるだけ活かす方針を取り、最初の1年の重い・軽いは先の見通しと関連しないため待機する(例外の条件はある)としています。ノルウェーの研究も、待つという方針そのものを否定していません。ただし何を見るかを決めて、子どもの様子を積極的に追っていく形であれば理にかなった選択になり得る、という条件付きです。同じ研究では、心配を伝えたのに待つように言われて、真剣に受け止めてもらえなかったと感じた参加者がいたことも報告されています。
就学が近づいても続いている、体の緊張を伴う強い症状が出てきた、本人が話すことを避け始めた——こうしたときは、待つだけにせず相談を早めてください。吃音が出てから1年半から2年以上たったとき、就学の1年前までに治らないときも、訓練へ切り替える判断材料として挙げられています。
東京で行き先を探すときの3つの落とし穴
落とし穴1 − 施設の名前だけを集めて、年齢の区切りを見落とす
同じ「吃音外来」でも、18歳以下だけを受けるところ、18歳以上だが高校生は別窓口のところ、中学生以上のところが混在します。北里大学病院のように、小学生以下は院内の別の外来が受け持つという形もあります。名前のリストを作る前に、各ページの「対象」の行を先に読むほうが早く着きます。
落とし穴2 − 「大きな病院に行けば吃音に詳しい人に会える」と思い込む
言語聴覚士の業務は多岐にわたるため、全員が吃音の指導や支援を行えるわけではありません。ノルウェーの研究でも、言語聴覚士が割り当てられても吃音の対応に通じているとは限らず、受け取る助言は誰に会ったかで大きく変わったと報告されています。予約の電話をかけるときに「吃音の相談をしたい」と先に伝え、扱っているかを確かめるのが確実です。
落とし穴3 − 早く紹介してもらえば、早く始まると考える
早い紹介が早い治療を意味するとは限りません。評価だけ早く済んでも、開始はずっと後になったり、回数が少なかったりすることがあると指摘されています。待つことになったときは、何を見るかを決めて記録しておくと、順番が来たときの相談が具体的になります。どんな場面で出やすいか、どのくらい続いているかを書き留めておくことから小さく始め、相談できる先が見つかったらそちらが確実です。
よくある質問
東京都内に小児吃音外来はありますか?
「小児吃音外来」という名前の専門外来として一次情報を確認できたのは、埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター病院で、18歳以下の初診の方が対象です。東京都文京区本郷の耳鼻咽喉科クリニックには、受診者の8割以上を子どもが占める音声言語外来がありますが、吃音の専門外来のほうは中学生以上が対象です。ここに挙げていない施設が都内に無いという意味ではありません。
何歳から受診できますか?
施設によって違います。所沢の小児吃音外来は18歳以下、北里大学病院と都内のクリニックの吃音外来は中学生以上で、北里大学病院では小学生以下は耳鼻咽喉科・頭頸部外科外来が対応すると案内されています。なお、幼児吃音臨床ガイドラインは積極的な介入について、年少組までは経過観察的な支援を基本とし、年中組で開始を検討、年長組で開始を推奨としています。
紹介状は必要ですか?
施設によります。所沢の成人吃音相談外来は、紹介状を持っている場合は当日持参するよう案内しています。北里大学病院は、内科や耳鼻咽喉科などからの紹介状(診療情報提供書)を当日提出するよう求めたうえで、紹介状が無い場合は医療費とは別の負担が生じると案内しています。行き先を決めたら、予約の段階で紹介状の要否を確かめてください。
大人はどこへ行けばよいですか?
18歳以上であれば所沢の成人吃音相談外来(高校生は小児吃音外来で対応)、中学生以上であれば東京都文京区本郷のクリニックの成人吃音専門外来や北里大学病院の吃音外来が、公開されている案内から確認できます。ただし北里大学病院は新規の予約受付を停止中で、再開予定は2027年2月上旬頃とされています。
予約が取れないときは、どうすればよいですか?
まず住んでいる区市町村の子育て相談や保健センターに相談してください。一般の相談・診療機関が説明と経過観察を担い、必要を見極めて治療施設に紹介する体制が勧められています。あわせて、言語聴覚士のいる耳鼻咽喉科やリハビリテーション科に、吃音を扱っているかを事前に問い合わせる方法も示されています。待つ間は、何を見るかを決めて様子を追っていく形にすると、待機が消極的な時間になりません。
まとめ
- 「小児吃音外来」という名前の専門外来として確認できたのは埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター病院で、18歳以下が対象。都内で子どもを多く受けているのは、吃音に限らない音声言語の外来という形だった。
- 年齢の区切りは施設ごとに違う。18歳以上でも高校生は小児の窓口、中学生以上が対象の外来では小学生以下は別の科が受け持つ。名前より先に「対象」の行を読む。
- 名前を見つけても、すぐには受診できないことがある。所沢は予約が取りにくいと自ら告知し、北里大学病院は新規予約を停止し再開予定を2027年2月上旬頃としている。
- 言語聴覚士は全員が吃音の指導や支援を行えるわけではないため、予約の前に扱っているかを確かめる。誰に会ったかで受け取る助言が変わることは、海外の調査でも報告されている。
- 待つことになっても、入口は区市町村の相談窓口から続いている。何を見るかを決めて追う形なら、待機も理にかなった選択になり得る。就学の1年前までに治らないときなどは、訓練への切り替えを相談する。